終末期医療
終末期の医療について
もしも、事故や病気で治る見込みがなくなった時、どのような医療を受けるか家族や医療介護の関係者にあなたの希望を伝えていますか?
家族や支援する方に希望を伝えておくことで、もしも、あなたの意志が伝えられなくなった場合でも、あなたが望むような医療やケアを受けられる可能性が高くなります。(家族などとの話し合いやもしも手帳の記入の時に下記Q&Aをご利用ください。)
※終末期とは、治療効果が期待できず、予測される死への対応が必要になった期間
Q1.延命のためにはどのような治療がありますか?
心肺蘇生
・心臓も呼吸も止まった時に、心臓マッサージ、人工呼吸、電気ショックを行うこと
人工呼吸器装着
・人工呼吸器は、自力で呼吸ができなくなった時に口から気管に管を挿入または頸部を切開して管を通し肺に酸素を送る方法。
点滴による水分栄養補給
・皮下や末梢の静脈からの点滴:重度の脱水症を防ぐ事はできますが栄養補給の効果はほとんどありません。
・太い静脈に点滴する方法:胃や腸から栄養が取れなくなった時に生命維持のために
(中心静脈栄養) 必要な栄養や水分を補給する方法
胃ろう・経鼻経管による栄養補給
・胃ろうは、内視鏡を使用し腹部に開けた小さな穴から管を通し、直接胃に栄養、薬、水分を入れる方法。
・経鼻経管栄養とは、鼻から胃までチューブを通し、栄養、薬、水分を入れる方法。
人工透析
・腎臓の機能が低下した場合に、血液中の老廃物や不要な水分を除去する方法。腎機能の回復が見込めない場合は継続した透析治療が必要になります。
Q2.延命治療は希望していませんが、もしものときは救急車を呼んだほうが良いですか。
A2.
救急隊は連絡(救急出動)を受けたら、救命を目的に心肺蘇生などの医療処置を行い、救命治療を行う病院へ運ぶことが仕事です。
もし、心肺蘇生などを希望せず、自宅などの希望する場所で最期まで過ごすことを望むのであれば、まずかかりつけ医や訪問看護師に連絡してください。
Q3.終末期に自宅で過ごす時、痛みやつらさを軽減する治療を受けられますか?
A3.
病気の種類や状況によって治療内容は変わりますが、訪問診療や訪問看護、介護サービスを利用し、痛みや吐き気、呼吸困難、不眠や精神的な苦痛に対して薬剤による治療やケア(緩和ケア)を自宅でも受けられます。
Q4.自宅で最期まで過ごすことを望んでいます。準備しておく事はありますか。
A4.
どんな治療やケアを受けて過ごしたいか、事前に希望を家族や医療介護の関係者などに伝え、記録として残しておくことが大切です(もしも手帳などの利用) また、通院が難しくなったら、かかりつけ医に希望を伝え、自宅で医療や介護を最期まで受けられるよう準備(訪問診療や訪問看護、介護サービスなど)しておくことをお勧めします。
Q5.ひとり暮らしです。治らない病気になったら、病院ではなく施設で最期を迎えたいと希望しています。施設で看取りを行ってもらえますか。
A5.
看取りを行っている施設は増えていますが、病気の種類や介護保険の介護度によって入所の対象にならない場合や、使用する薬剤や医療器具によって入所できない場合もあります。詳しくは担当するケアマネジャーや希望する施設、かかりつけ医、地域包括支援センター、在宅医療相談室にお問い合わせください。
※終末期の医療に関しての詳しい情報については、かかりつけ医や訪問看護師にご確認ください。在宅医療相談室でもご相談をお受けしておりますので下記電話番号にご連絡ください。